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IMPRESSION ※ 個人の感想ですので、違っていても責任は負えません!
        
FJ1600 (2004年)
FJ1600 概要

 入門フォーミュラであるFJ1600は、前後にウィングを持たないのが外観上の特徴。ボディーワークも含めたシャシーにはいくつかのコンストラクターによる開発競争もあるため、ワンメイクの上級フォーミュラよりも機能美があるとの声も多い。
 レースで使用した車両はオスカーSK96。モデルの新しいSK02を始め、R&Dやウエストなどのコンストラクターが製造した数多くのタイプの車両があるが、スバル製1.6リッター水平対向4気筒エンジン(型式:EA71)と、同じくスバル製5速マニュアルトランスミッションはレギュレーションにより全車共通。エンジンは改造範囲が厳しく制限され、最高出力は100馬力+αと言われている。タイヤはワンメイクでダンロップ製スリック(2010年からヨコハマタイヤ)。
 EA71エンジンの絶対数が少なくなったため、2007年よりホンダ製1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載したスーパーFJへと移行が開始され、2009年を以ってFJ1600のJAF地方選手権としての開催は終了した(それ以後もJAF公認レースとして各サーキットごとに独自の選手権を開催)。
 オスカーの業務はミストへと引き継がれている。

走行インプレッション

 
コクピットは非常にタイト。SK02や他のコンストラクター製よりも狭いと言われており、僕の印象では180cm(の標準体型)までが限界。理想的なポジションを得られるのは175〜177cmくらいまでだと思う。
 キャブレター仕様のためやや気難しい面もあるが、セルモーターによるエンジン始動に特別なテクニックは不要。右側にあるシフトレバーはHパターンで左前が1速、右後ろがリバースの5速。トランスミッションは乗用車用のシンクロ付きをそのまま搭載しているため、レバーのストロークがやや短い事に慣れてしまえば操作は乗用車感覚でOK。
 クラッチも特殊なものではないので扱いやすく、1速は超ローギヤードなので発進も容易。車両重量がドライバーも含めて465kgと軽量なので、100馬力程度であっても乗用車では考えられないほどの出足を見せる。通常サーキットを周回する際は3〜5速を使用し、パワーバンドも約4000〜7000回転と扱いやすいが、筑波サーキットのヘアピンのような低速コーナーでは『半クラ』という特殊な技術(?)が必要となる場合がある(2速がローギヤード過ぎて使いにくいため)。
 ブレーキは乗用車のような倍力装置を備えていないが、軽量なため踏力はそれほどまで必要とせず、むしろリニアなコントロール性が好印象。他の人はどうだか分からないが、僕個人としてはタイヤがロックしているかどうかが見える事も、安心してブレーキで攻め込む事が出来る要素のひとつだと思う(リヤがロックしているかどうかもミラーで見える)。

 コーナーリング性能について、SK96は他のモデルと比較してもフロントの入りがいいと言われているが、特性はニュートラルに近い。トラクション性能もエンジンパワーやタイヤのグリップに対して十分で、LSDを備えないためイン側の縁石に乗ると姿勢を乱す事もあるが、しっかりと姿勢を作っておけばコーナー立ち上がりでパワーオーバーに陥る事は少ない。
 ミッドシップの乗用車に時々見られるような限界付近での挙動の扱いにくさは感じられず、テールスライドの仕方も想像するよりは穏やか。その理由の一つに、水平対向エンジンの低重心があると思う。上級フォーミュラのエンジンはドライサンプ化してオイルパンを廃し低重心化を図るのが一般的だが、それをせずにフォーミュラカーに搭載できたのは水平対向というエンジンレイアウトによるところが大きいと思う。そしてスバルのFF車用のミッションをそのまま搭載すれば、フォーミュラカーの理想的なエンジン、ミッションのレイアウトにそのままなってしまった、という成り立ちだ。
 スーパーFJはホンダの直4にレース用ミッションを組み合わせているが、重心の高さによると思われる動きが他のフォーミュラカーとは明らかに異なり、サスペンションセッティングにも多くの妥協を強いられる。それだけに、ぜひともインプレッサ用の1.5リッター水平対向(OHCで良い)にFF用のMTの組み合わせで作って欲しかったのだが…。
 2009年までのダンロップタイヤはスリックだがそれほどグリップレベルは高くなく、練習で長く使えるよう配慮されている印象。FJというカテゴリーには好ましい設定。ただしその分寒い時期には温まりにくく、予選時間15分のうちの最後の周でタイムが次々に更新される事も珍しくない。ドライバーがタイムを出すのに手間取っているわけではなく、タイヤの特性である。
 最後に、あまり多くはないかもしれないが、これからレーシングカーに初めて乗るのだけどそれがFJ1600という状況の方にひと言。オルタネーター(発電機)が付いてないので(スーパーFJは発電機付き)、スピンしまくってエンジンを止めて何度もセルモーターを使用しているとバッテリーの電力が底を付く可能性がある事、そしてFJを含めたフォーミュラカーはもちろんだが、多くのレース車両にはラジエーターファンが付いていない場合が多いので、アイドリングで停車しておくとそのままオーバーヒートしてしまう事を頭に入れておく必要があるだろう。
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